「学校斡旋」は高卒採用の特徴的な仕組みの1つで、ほとんどの高校生は学校斡旋を利用して就職先を見つけています。
高卒の採用活動を行うために理解しておきたい学校斡旋ですが、複雑なルールも多くすべてを把握するのは大変です。
そこで今回は、学校斡旋の仕組みから、トラブルを防ぐ方法までをまとめて解説します。
高卒採用の学校斡旋の仕組み
大卒採用や中途採用と違って、高卒ならではの採用の仕組みが学校斡旋です。
ここでは学校斡旋がどのようなものなのか解説していきます。
学校斡旋とは
学校斡旋とは、学校が生徒と企業の間に入って求人に関するやり取りなどを行うことです。
現在の高卒採用のほとんどは学校斡旋であり、学校を介さずに行う「自己開拓」や「縁故での就職」はかなり少数となっています。
学校斡旋は、スケジュールや応募方法などに細かいルールが決められています。
このルールは都道府県ごとで違っており、毎年情報が更新されますので、高卒の採用活動を行う際には情報収集が欠かせません。
学校斡旋の流れ
学校斡旋は大きく分けて「求人票・会社見学・面接」の3ステップに分けられます。
前提として、学校斡旋を受けるためには、ハローワークで高卒採用専門の求人票を提出することが必要です。
高校就職が解禁されると、インターネット上に求人票が公開されるだけでなく、学校側に直接求人票を送ることもできます。
学校や生徒側は求人票を見て、就職したい企業を探します。
ここから、応募する会社を決定するために行うのが会社見学です。
高卒採用には「一人一社制」の制限がありますので、実際の仕事風景などを見たり、企業の人と話したりしながら、応募する1社を決定します。
その後、例年9月の中頃から企業による選考が始まりますので、面接を進めて内定を出していきます。
学校斡旋のメリット
学校斡旋には、企業側にもさまざまなメリットがあります。
ここからは、どのようなメリットがあるのか解説していきましょう。
優秀な人材を発掘できる
学校斡旋の場合、高校生側は学校からの推薦をもらって企業に応募します。
卒業見込みのある生徒や、学校の規則に則って就職活動を行う生徒が選ばれますので、企業側は優秀な人材を見つけやすいと言えるでしょう。
また、高校の進路指導教諭は長く務めている場合も多く、上手く関係値を築くことができれば、これまでの採用データからどのような生徒が合うのか判断して斡旋してくれるでしょう。
採用コストを削減できる
高卒採用は、求人票の受付開始が例年6月1日ごろ、1次選考の採用内定開始が9月半ばごろです。
大卒採用に比べると、選考にかかる期間が3か月程度と短くコストも抑えられるでしょう。
また、大卒では求人サイトに広告を載せる場合に多額の費用がかかりますが、求人票は無料で掲載が可能です。
内定辞退されない
大学新卒の場合、内定を出した学生から、辞退されてしまうことがよくあります。
しかし高卒採用の場合は、一人一社制がありますので、内定が出た企業に入社するのが一般的です。
企業側からすると、学校斡旋には「内定を出した学生が必ず入社してくれる」という安心感があります。
学校斡旋のデメリット
ここからは学校斡旋のデメリットを確認していきましょう。
工夫次第で改善できるところもありますので、しっかりチェックしてください。
希望する学生を採用できない可能性がある
高卒採用では、一人一社制が採用されており、一度に応募できる企業数が都道府県ごとに決められています。
会社見学や学校訪問の時点で採用したいと思う学生がいても、応募してもらえなければ1次選考で採用することはできません。
さらに、他の企業で内定が出ればその時点で就職決定となり、2次選考以降の採用もできなくなります。
また、継続して高卒採用を行っている企業の中にも「希望の人材が採用できない」と悩んでいる方がいるのではないでしょうか。
この場合、求人票でどんな生徒に合う仕事なのかが上手く伝えられていないことが考えられますので、一度、求人票の内容を見直してみましょう。
内容を改善することで、希望の人材からの応募が入ることがあります。
ハローワークや高卒採用支援の専門企業を活用し、アドバイスをもらってみてはいかがでしょうか。
学生の能力を正確に把握できない可能性がある
大卒採用では、アルバイトや留学、サークルなど幅広い自己PRがありますが、高卒採用は自己PRの幅が少なく、生徒自身がどのような人物なのか判断しにくいと言えるでしょう。
これを防ぐには、採用活動を実施する前に、あらかじめ「どんな人物を採用したいか」を決めておくことが必要です。
必要な能力は何か、どうやって見極めるかなども具体的に決めておけば、自社に合った人物を採用することができるでしょう。
高校生自身も「自分がどのような人物か」を伝えることに慣れていません。
面接の際は、企業側からさまざまな質問をすることで、人柄が見えてくる場合もあります。
これらも事前に用意し、採用活動に臨みましょう。
学校斡旋を成功させるためのポイント
早い段階から準備を始める
高卒採用は、決められたスケジュール通りに進みますので、事前の準備が重要です。
企業側が初めに取り組まなければならない準備として、求人票の作成が挙げられます。
大卒採用や中途採用で求人票を作成した企業も多いと思いますが、高卒採用を行う際は、同じ職種であっても内容を書き直すようにしましょう。
高校生は仕事や社会人に対する知識が少なく、私たちが当たり前だと思っていることや、日常的に使っている単語が理解できない場合もあります。
高校生目線で原稿を見直し、より分かりやすく書き換えることで、自社の仕事内容や魅力が伝わりやすくなるでしょう。
また求人票は、例年6月1日から申し込み開始、7月1日から公開となります。
他社に遅れをとらないよう、求人票は余裕を持って提出し、公開日までに受理されるようにしておくことが大事です。
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/220401_kakikatakou.pdf
学校との連携を密にする
高卒採用では、直接学校訪問を行って、進路指導教諭などと関係値を作っておくことが重要です。
先生側と関係値を作ることで、自社のことを深く知ってもらうことができますし、生徒とのコンタクトもしやすくなります。
進路指導教諭は人事異動がない限り、一人の先生が続けて担当する場合も多いため、数年にわたって深い関係値を作ることを意識しましょう。
学校のニーズを把握する
高校生就職を行っている学校も、それぞれに生徒のタイプや男女比、学んでいる内容は違います。
そのため、学校側がどのような求人を探しているか把握することも重要です。
複数職種で募集をかける場合は、ニーズに合わせて求人票の送り先を変えるなど工夫をすることで、工数を抑えながら効率的に採用活動を進めることができます。
情報交換会などに積極的に参加する
先ほど、学校との関係値作りやニーズの把握が重要だとお伝えしましたが、企業単体で取り組むには難しい部分もあるでしょう。
そこで活用したいのが、企業と学校の情報交換会です。
対面で話すことで「今」の状況が知れるだけでなく、学校側に自社の想いを伝えられますので、高卒採用に前向きな企業であることを印象付けることもできるでしょう。
情報交換会に参加する学校は高卒就職に意欲的な場合も多く、一度にたくさんの学校と関係値が作れるため、効率のいい採用活動が可能です。
学校斡旋でよくあるトラブル
学校斡旋では守らなければならないルールも多く、一歩間違えればトラブルになってしまいます。
ここでは、学校斡旋でよくあるトラブルを見ていきましょう。
罰則などもありますので、高卒採用を始めたいと考えている皆様はぜひご確認ください。
求人票の提出漏れ
高卒採用でまず気を付けたいのが求人票の提出漏れです。
求人票は必ずハローワークに提出し、受理されなければ学校斡旋を行うことはできません。
現在の高卒採用は学校斡旋が主流であり、それ以外の方法で高卒人材を見つけることは難しい状況です。
求人票を提出し忘れてしまうと、高卒人材を採用するのはかなり厳しいと言えるでしょう。
面接の開始時期の違反
大卒の採用活動と違い、高卒採用は厳密なスケジュールが決められています。
企業の選考開始日・採用内定開始日も決められていますので、この日よりも早めに選考を行ったり、内定を出したりすることは認められません。
違反した場合は罰則もありますので、注意しましょう。
内定の取り消し・入職時期の繰り下げ
慣例ではありますが、高卒就職の場合、内定が出た企業に就職するのが一般的です。
そのため、むやみに内定を取り消すことは重大な違反となります。
また、入職時期の繰り下げも同様に重大な違反になりますので、あらかじめ入社日を確定させてから採用活動を行うようにしましょう。
提出した採用人数以下での求人打ち切り
ハローワークに求人票提出する際には、採用する人数を記載する必要があります。
実際の採用数がこの人数を下回っている場合、求人を取り消すことはできません。
高卒採用では「大卒採用が上手くできなかったから中途採用で補う」というような人数調整ができないため、高卒で何人採用したいかは別枠で決めておきましょう。
違反した場合の罰則
学校斡旋に関するルールに違反した場合にはどのような罰則があるのでしょうか。
ハローワークなどの資料を確認すると、「次年度の求人票特記事項欄にその事実を記載する」というところが多く見受けられます。
次年度以降の高卒就職や、企業の評判にも関わりますので、違反を行うことはやめましょう。
また、内定の取り消し・入職時期の繰り下げなどの重大な違反を犯した場合は、行政指導の対象となりますので、十分な注意が必要です。
https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-hellowork/content/contents/001130190.pdf
一気に細かいルールを全て把握するのは難しいため、新しく高卒採用を始めたいと考えている方は、ぜひ高卒採用専門で支援を行っている企業を活用してみてはいかがでしょうか。
プロに頼むことでミスも減り、スムーズな採用活動が可能となります。
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