企業の人手不足がますます加速する昨今において、若手人材を確保する手段として注目される高卒採用。
令和8年3月末時点の高卒新卒者の求人倍率は4.12倍※と過去最高水準を記録し、高卒採用を実施する企業は生徒に“選んでもらう”ための努力をより一層求められています。
他社との差別化を図る上で、特にわかりやすい指標の一つが「給与」でしょう。
そこで今回は、企業における高卒新卒人材の給与の実情について、様々な観点の統計情報をもとにご紹介していきます。
給与について企業が見直すべき内容や、高校生向けの情報発信のポイントについても解説していくので、ぜひ採用戦略の改善に活かしてみてください。
※ 出典:厚生労働省「令和7年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る 求人・求職・就職内定状況」取りまとめ(3月末現在)」
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001699241.pdf
目次
高卒新卒者の給与額のリアル
ハローワークの求人解禁を迎えた7月。
新たに高卒求人を出した企業も、これまで出していた高卒求人を見直した企業も、ともに頭を悩まされたのが「初任給の金額設定」ではないでしょうか。
これからの求人票の改定や新規作成をスムーズに進めるためにも、まずは高卒者の給与の相場感を掴んでおくことが大切です。
【全国】高卒新卒者の平均賃金水準
厚生労働省が公表した最新の調査※によれば、高校新卒で入社した方の令和7年の平均賃金は月給約20.7万円とされています(この調査における「賃金」とは、令和7年6月分として支払われた所定内給与のこと)。
「自社よりも高い」「低い」あるいは「ほぼ同額だった」など、この結果に対する反応は企業によってさまざまでしょう。
しかし、これはあくまで日本全国に点在する、企業規模の大小や業界を問わない約79,000社を対象とした調査の結果です。
採用ターゲットや採用活動のエリアがまったく異なる企業ではなく、「近隣エリア」や「同じ業界」など自社に近い条件をもつ企業こそ、高卒採用活動において真に比較するべき対象といえます。
※出典:厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/dl/14.pdf

【東海3県】高卒新卒者の初任給の推移
まずは、東海3県(愛知・岐阜・三重)における高卒新卒者の初任給額の現状についてご紹介します。
以下は厚生労働省の調査をもとに作成した、東海3県の直近5年間における高校新卒者の初任給額の推移です。
いずれの県でも2021年時点では17万円台だった給与額が、2025年には20万円台にまで達していることがわかります。
5年間で約3万円もの上昇が起こった理由として、例えば以下のような原因が考えられるでしょう。
| 令和3年度 | 令和7年度 | |
| 愛知県 | 955円 | 1,140円 |
| 岐阜県 | 880円 | 1,065円 |
| 三重県 | 902円 | 1,087円 |
厚生労働省の中央最低賃金審議会による引き上げ目安に伴い、直近5年間で全国の最低賃金の上昇ペースは過去最高となりました。
東海3県でも5年間で200円前後の引き上げが実施されたことから、高卒新卒者の初任給も同様に、最低賃金を下回らないよう多くの企業でベースアップされたと考えられます。
※出典:厚生労働省「平成14年度から令和7年度までの地域別最低賃金改定状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/index.html
■全国的な初任給インフレの傾向
全国的なベースアップに伴い、他社・他業界との差別化のために初任給金額を引き上げる“初任給インフレ”が熾烈化したことも一因でしょう。
株式会社産労総合研究所の「2025年度 決定初任給調査」※によれば、2025年4月入社者の初任給を引き上げた企業の割合は、調査開始以降2番目に高い72.0%を記録しました。
また、引き上げの理由として最も多かったのは「人材を確保するため」(71.1%)です。
周りの多くの企業がベースアップに動く中で遅れを取らないため、予防的に初任給の引き上げに動いた企業も多数あったと考えられます。
※出典:株式会社産労総合研究所「2025年度 決定初任給調査」
https://www.sanro.co.jp/news/n116782.html
東海3県に拠点をもつ企業が高卒新卒者の初任給額を設定する際は、以上の市況感を把握しておくとよいでしょう。
【業界別】高卒新卒者の初任給の相場
エリア単位での相場とともに重要なのが、自社が属する“業界”における相場です。
同じく厚生労働省の調査から、自社の給与額が業界内でどの辺りに位置しているのか、その現在地を確認してみましょう。

鉱業をはじめ建設業、運輸業など、調査対象の16業界のうち半数の8業界で、企業規模にかかわらず平均値が20万円以上であることがわかります。
また、業界ごとの全ての企業を合算した平均値では、実に7業界が21万円以上という水準にまで達しています。
高卒採用の珍しい業界では調査年度のサンプル数が少ないこともあり、そのまま給与額に反映するには注意を要するデータですが、先述した高卒新卒者の平均賃金「月給約20.7万円」と同様、ひとつの目安として参考にしてみてください。
自社を“選んでもらう”ための給与戦略
厚生労働省は令和5年、15歳から34歳までのいわゆる若年労働者を対象として、“働く理由”についての調査※をおこないました。
その上位に、例えば「主たる稼ぎ手として生活を維持するため」(51.0%)や「自分の学費や娯楽費を稼ぐため」(49.7%)といった理由が並んだことからも、多くの若手人材にとって給与が企業選びの重要な指標のひとつであることは確かでしょう。
そうは言っても、現実には「大企業のように金額を一気に引き上げるなんてできない……」という企業がほとんどのはずです。
実は、高卒採用で自社の給与を魅力的に見せようと思った時、必ずしも初任給の金額を引き上げる必要はありません。
金額設定だけに頼らない、より効果的な“給与戦略”のポイントをご紹介していきます。
※出典:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/4-21c-jyakunenkoyou-r05_gaikyou.pdf
“給与とは”を伝えることから始める
そもそも社会人経験のない高校生にとって「給与」は縁遠いものです。
アルバイト勤務の経験がある生徒も、時給制や日給制については理解していても、月給制や給与から税金や社会保険料を天引きされる仕組みに馴染みがないことがままあります。
高校生に対して自社の給与制度を説明する時には、以下の基本的なポイントがわかるように伝えましょう。
■給与=「基本給」+「各種手当」
・基本給:給与の基本となる固定額のお金
・各種手当:労働環境や稼働時間などに合わせてプラスされるお金
■「額面」と「手取り」の違い
・額面:基本給とすべての手当を足した、会社が支払う全体の金額
・手取り:額面から税金や保険料を引いた、実際に口座に振り込まれる金額
■給与から引かれる「控除」(天引き)の中身
・社会保険料:健康保険、厚生年金、雇用保険など
・税金:所得税、住民税※
※新卒入社1年目は、原則として前年の所得がないため、住民税の負担が本格的に始まるのは2年目以降です。
高卒採用を考慮した給与制度を整える
高校生に対する採用活動において、給与面の魅力とは決して金額の高さだけではありません。
学校の先生や保護者といった高校生の意思決定に深く関わるキーパーソンが気にかけているのは、生徒・子どもが「入社後にちゃんと成長できるか」、「安定して働き続けることができるか」といったポイントです。
これらを給与面から考えると、「頑張りに対する評価が給与に反映されるか」、「給与体系が明快で安定的な収入を得られるか」などと言い換えられるでしょう。
例えば昇給であれば、定期昇給なのか、評価制度と連動するものなのか、あるいは大卒入社の場合との賃金格差などを懸念されるおそれがあります。
また、賞与であればその計算基準や、業績による支給可否の変動なども心配の種です。
これらの疑問にはっきりと答えられず、特に学校の先生からの理解を得られなければ、次年度以降の採用活動の成否にも関わってきます。
高卒採用に今年初めて取り組むという企業は、高卒新卒者を想定した賃金テーブルや昇給・賞与支給の制度が整っていないこともあるでしょう。
高校生だけでなく保護者、さらには先生からの信頼を獲得できるよう、給与制度はあらかじめ綿密に設計し、誰もが明快に説明できるよう人事・採用担当者間で情報共有をしておきましょう。
プラスアルファの魅力もアピールを忘れずに
先生・保護者が抱く懸念点として先ほど挙げた、「安定的な収入」というポイントにも応えておきましょう。
安定的な収入によって高卒新卒者が得るもの、それはすなわち“生活の安定”です。
高卒新卒者の生活にプラスアルファの豊かさを与える福利厚生制度があれば、もれなくアピールすることをおすすめします。
例えば、家賃や交通費の補助制度や、毎日の食費補助制度、特定の資格を取ることで付与される手当などは、金額の大小にかかわらず充分に魅力的なものです。
給与制度とセットで紹介することで、高校生自身も入社後の暮らしをよりイメージしやすくなるでしょう。
給与制度の魅力をアピールする方法
高卒新卒者向けの給与制度を確立したら、次は対外的な発信手段を整えましょう。
もちろん求人票への記載は必須ですが、「給与」というものに馴染みのない高校生に、文字情報だけで具体的なイメージを抱いてもらうのは至難の業といえます。
それこそ、“金額だけを見た印象で応募先の候補から外れてしまった”なんてことにならないためにも、さまざまな手段で自社の制度の強みを確実に伝えることが大切です。
給与制度は“ビジュアル”で伝える
具体的な発信手段に落とし込む前提として、給与制度の視覚化は欠かせません。
例えば、「月々の給与の内訳はどうなっているのか」、「年次や等級に応じて想定月収〜年収額はどのように変わるのか」などといった情報は、ただ数字を並べるだけでは理解されないおそれがあります。
金額の差や割合がひと目でわかるグラフやイラストなどの“ビジュアル”に落とし込むことで、高校生はもちろん、先生や保護者にも納得感を与えることができるでしょう。
高卒採用パンフレットの制作
高卒採用活動において特に取り回しのよいPRツールが「パンフレット」です。
求人票とセットで学校へ送付できるほか、学校訪問の際に持参したり、各種の就活イベントで配布したりと、採用活動に伴うさまざまなシーンで活用することができます。
また、学校の先生から生徒へ、生徒からその保護者へ……と、企業の手を離れた後で一人歩きすることもパンフレットの特徴です。
パンフレット内のコンテンツとして、どんな方にも伝わりやすい形式で給与制度の説明を掲載しておけば、直接・間接を問わず、給与面に対する安心感の“種まき”ができるでしょう。
高卒採用LPでさらに発信拡大
高卒採用情報に特化したウェブページを制作しておくことも、情報発信のターゲットをさらに広げる手段としておすすめです。
応募を検討している企業について高校生やその保護者がウェブで調べることは、現代の就職活動においてはごく当たり前の景色となりました。
先生からの紹介や、学校でパンフレットを見かけたことをきっかけに企業名を検索した先で、まさに自分に向けた情報が整理されていれば、高校生にとって大きな安心材料となります。
また、紹介やパンフレットといった直接のきっかけがなくとも、例えば「製造 愛知 高卒」のように、業種やエリアのキーワードからページに辿りつく高校生がいるかもしれません。
潜在的な採用ターゲットにまでリーチするためにも、ウェブにおける情報発信と採用戦略を強化していくことも大切でしょう。
より効果的な情報発信のために
先述した通り給与制度は、社会人経験のない高校生にとって、求人情報の中でも特に理解しづらい項目のひとつです。
“高校生にも伝わる表現”での発信が不可欠である一方で、高卒採用の経験やノウハウがない企業には「結局どう伝えればよいのかわからない」という悩みが付いてまわります。
そのような方は、高卒採用に特化したプロモーション支援企業に相談してみてはいかがでしょうか。
企業側の伝えたいことと学校側の知りたいこと、双方のニーズを最大限に満たす効果的な情報発信を叶えてくれるはずです。
\高校生採用の勝ちパターンを見つけるならハイスク!/
これから高卒採用を始めたいと考えている企業の方、高校生採用での悩みを抱えている企業の方はぜひハイスクにお任せください!
・求人票に載せきれなかった写真や動画も載せられて、WEB上でパンフレットのダウンロードも可能!
・WEBを使って遠方の学校にもアタック!時間や場所を選ばずに学校へリーチできる!
・新たな企業と繋がりたい高校が登録しているので高卒求人への意欲も高い!
・学校情報の閲覧やDM送信、学校からのオファーも受け取れるので生産性アップ!
・企業側からだけでなく興味をもってくれた高校側からのアプローチも受けられる!
WEB以外にもリアルイベントで進路指導主事や就職担当の先生との就職情報交換会などを実施していますので、対面でのアプローチもでき、高卒人材の採用の可能性を広げることが可能です。
また、パンフレットや説明会動画などのプロモーション事業も同時に進められますので、より多くの情報提供ができますし、企業を理解して入社することでミスマッチの軽減にもつながります。
高校生採用を行う企業様は、ぜひハイスクをご利用ください!





