コラム

高校生に身近な問題を理解して長く働ける会社にしよう!

【25】高校生_精神疾患

この記事を見ている方の中に、「今どきの若手社員はすぐに怠ける」「さぼり癖がある」と思ったことがある方はいるでしょうか。
もしかしたら、それは精神疾患の症状かもしれません。
本人は病気で苦しんでいても、周りに理解されなければ働きづらくなってしまいますし、より症状が悪化してしまう可能性もあります。

そこで今回は、高校生に関わる精神疾患や諸問題についてご説明します。
企業側は高卒社員や若手社員への理解を深めるという意味でも、ある程度理解しておく必要がありますので、ぜひご覧ください。

高校生と精神疾患の関係

実は、精神疾患を発症しやすいのが、10代、20代の若い世代であることをご存じでしたでしょうか。
中学生や高校生など、学校教育を受けている期間に発症する場合も多く、高校卒業人材の場合は、就職後も精神疾患と向き合って働かなければなりません。
企業側も精神疾患に対する理解を深めることが必要です。

高校生における精神疾患について

中学生、高校生の時期は、子どもから大人へと移行する思春期です。
この時期は、身体の成長と共に、周囲との関係や環境、自身の社会的な役割も変化し、精神的にも不安定になりやすいと言えるでしょう。

実際、「およそ5人に1人が障害に1回は精神疾患を経験している」「約75%は24歳までに発病している」などのデータもあり、保健体育の教科書にも精神疾患の記述が復活しています。

このように、高校生などの若い世代にとって精神疾患の問題はとても身近なものとなっています。

精神疾患に対する周囲の対応

精神疾患の問題は、周囲の大人の理解ある対応も必要です。
では、高校新卒などの若い世代が働く企業はどのような対応をするべきなのでしょうか。

まず、「新卒社員・若手社員はこうあるべき」という考え方をやめてみましょう。
皆さんも、気づかないうちに「あるべき姿」を押し付け、そこから外れた人を「できない」と決めつけていませんか?
まずは新卒社員が「こうなりたい」という姿を理解し、それを応援することが必要です。
人から応援され、認められる機会が増えれば、若手社員の自己肯定感も高まります。

現在は、高校にもさまざまな専門学科ができ、自分の学びたいことが学べる環境が整っています。
今の高校生は多様性を広く認める世代ですので、企業もその考え方を受け入れられるような姿勢が大事になってくるでしょう。

精神疾患については、よくないと分かっていても、偏見や差別意識を持ってしまっている人が多いのではないでしょうか。
この意識を改善するためには、精神疾患について正しく学び、理解することが必要です。
同年代のお子さんがいれば、教科書の内容や授業の内容を聞いて理解を深めることもできるでしょう。

精神疾患になることは、特別なことではありません。
周りを見渡せば、さまざま精神疾患から復職した人も多くいます。
「今どきの若い子は…」と嘆く前に、若手社員が置かれている状況を把握することが大切です。

現代の高校生に関わる精神疾患

現代の高校生はさまざまな病気が身近にあり、中には病気を抱えて働かなければならない場合もあるでしょう。
では、現代の高校生に関わる精神疾患にはどのようなものがあるのでしょうか。
今回は特筆すべきものをいくつかピックアップしてみましたので、ご覧ください。

統合失調症・ARMS

統合失調症は、思春期後期から成人期に多くみられる精神疾患です。
原因は不明で、現在は100人に1人の割合で症状が現れます。
また、思春期には統合失調症になる前の前駆的症状であるARMSが出る場合もあり、高校生にとっては身近な精神疾患だと言えるでしょう。

統合失調症には、いくつか典型的な症状があります。

「幻覚」
頭の中にもう一人の自分がいて話しかけてくるなど
「妄想」
人に監視されているような感覚がある、周りが自分のことを笑っているような気がするなど
「自我障害」
友達と話していると心が読まれているような気がするなど
「思考障害」
考えていることが急に抜ける、集中力がないなど
「感情障害」
最近人が変わったように怒りっぽくなった、一人でいると孤独感を感じて急に泣き出してしまうなど

このような症状が混ざり合って出てくるのが統合失調症の特徴です。
また、病気の経過によっても症状が変化していきます。

統合失調症は早期発見・早期治療がとても大切です。
治療は薬物療法を中心に、作業療法などを併用することが推奨されています。

思春期うつ病

思春期うつ病は、思春期の年代の約2~8%に見られる病気です。
一般的には、成人のうつ病と同じ症状がみられ、薬物療法と精神療法で改善を目指します。
また、うつ病と合わせて摂食障害、強迫性障害、パニック障害などが現れ、うつの症状が見逃されてしまうことも多くあります。

一度症状が軽くなっても、成人期に病気が再燃したり、他の精神疾患に移行したりする場合もありますので、慎重に対応することが必要です。

新型うつ

現在では、一般的なうつ病と違う「新型うつ」があるということをご存じでしたでしょうか。
新型うつとは、人によってさまざまな症状が出るという特徴があります。
本人は何かしらの体調不良を感じているのですが、周りから見ると「怠けている」「サボっている」と思われることも多いのです。
また、好きなことをしている時には発症しないという特徴もあり、自己中心的に感じられることもあるでしょう。

新型うつは、学会で病気として認定されていないということもあり、決まった対応方法はありません。
発症した人に寄り添い、状況を鑑みながら個別に対応することが大事だと言えるでしょう。

起立性調節障害

起立性調節障害とは、立ちくらみやめまい、顔面蒼白などの症状が出る病気です。
現在は思春期世代の約10%が悩まされていると言われています。
自律神経の異常が関係していると言われていますが、原因は明らかになっていません。

起立性調節障害の学生は、立ちくらみやめまいなどの症状で学校生活に支障をきたすことも多くあります。
具体的な症状には、朝起きられない、車酔い、食欲不振、だるさなどがあります。

起立性調節障害は、基本的に身体の疾患ですので、気の持ちようで治るものではありません。
「怠けている」「サボっている」などと思われることもありますので、周囲も病気を正しく理解することが必要です。

現代の高校生が置かれている状況

今の高校生はZ世代と呼ばれ、置かれている状況は、私たちの世代と大きく違います。

精神疾患だけでなく、高校生を取り巻く状況も変わっています。
ここからは、高校生が身近に感じている問題をいくつか見ていきましょう。

コロナの影響

現在の高校生は、新型コロナウイルスが流行した時期に学生時代を過ごしています。
コロナ禍では学校に行けなくなり、行事や部活動の大会が中止になるなど、生徒たちの活躍の場が少なくなってしまい、自己肯定感が低くなるなどの影響も出ています。

実際に国立成育医療研究センターの「コロナ×こどもアンケート」第4回調査報告では、高校生の30%が中等度以上のうつ症状があることが分かりました。

このような理由や、コロナ感染を広げてはいけないという理由から、現場では「学校を休む子が目立つ」という意見も出てきています。

参考:「コロナ×こどもアンケート」第4回調査報告 _ 国立成育医療研究センター
https://www.ncchd.go.jp/press/2021/20210210.html

ヤングケアラー

ヤングケアラーとは、本来は大人が行うと想定されている家事や、家族の世話などを日常的に行っている子どものことです。
令和2年度に高校2年生を対象とした厚生労働省の調査では、4.1%が「世話をしている」と回答しました。

ヤングケアラーが直面する問題として、
・学業への影響
(遅刻・早退・欠席などが増える、勉強の時間が取れない)
・友人関係への影響
(コミュニケーションを取れる時間が少ない)
・就職への影響
(自分のやってきたことをアピールできない、自分ができることの範囲を狭めて考えてしまう)
などがあります。

高校生就職の場合、履歴書だけの情報では内部の事情まで分からず「部活をやっていない」「遅刻や早退が多い」などと良くない印象を抱かれがちです。

参考:こどもがこどもでいられる街に。~ヤングケアラーを支える社会を目指して~ 【厚生労働省】
https://www.mhlw.go.jp/young-carer/

理解を深めることによる企業側のメリット

高校生の現状に対する理解を深めることは、企業側にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

採用選考時の偏った見方がなくなる

学校斡旋で採用活動を行う場合、履歴書の情報をもとに面接を実施します。
しかし、「この子は休みが多いな」「部活に所属していないな」など、企業側に偏った見方があれば、選考時に不利になってしまう生徒も出てくるでしょう。

先述したヤングケアラーの問題のように、一人ひとりが抱えている問題は履歴書だけでは分かりません。
生徒一人ひとりの状況を考慮することで、企業側も違った見方ができるようになるのではないでしょうか。

定着率向上につながる

高校生が関わる問題を知ることで、現場の対応にも変化が出てきます。
今までは、「サボっている」「怠けている」と思われていた社員も、病気であることが分かれば適切に対応することが必要です。
また、「すぐ休む」と思われていた社員も、学校で習慣化された「コロナのリスクを持ち込まない」ことを徹底していただけかもしれません。

若手社員の抱えている問題や意識を理解し、現場の対応が変われば、高卒社員も働きやすくなるでしょう。
働きやすい職場に改善されれば、おのずと定着率も上がります。

若手に支持される職場環境になる

若手社員への理解を促進し、企業全体を変えていくことは、高校生側の安心感にもつながります。

高卒人材が定着する企業になれば、生徒だけでなく学校の先生からの印象も良くなります。
多くの生徒に紹介したり、生徒自身が興味を持ったりすることも考えられますので、高校生に選ばれる企業になれるでしょう。

高校新卒を始めとした若者に関わる生活環境は日々変わっています。
常に「若い人たちが何に悩んでいるのか」を理解することは、高卒採用に対する大きなアドバンテージとなるでしょう。

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