コラム

高卒採用における「一人一社制」とは?内容を徹底解説!

高卒採用_一人一社制

高校生の就職活動では、学校が生徒と企業の間に入り、求人に関するやり取りや就職活動の指導を行う学校斡旋が一般的です。
この学校斡旋で適用されるルールの中に「一人一社制」があります。
では一人一社制とはどのような制度なのでしょうか。

ここでは、一人一社制の内容から、メリット・デメリットまで詳しく解説します。

一人一社制の意義と目的

一人一社制は、高卒採用の際の特徴的な仕組みの1つです。
ここでは一人一社制がどのような仕組みなのかについて見ていきましょう。

一人一社制とは?

高卒採用における一人一社制とは、応募解禁日から一定期間、一人の生徒が応募できる企業を一社とする制度のことです。
これは、生徒が学校からの推薦を受けて応募する「学校斡旋」での応募の際に適用されます。
高校生自らが就職活動を行う「自己開拓」や「縁故での就職」には適用されませんが、学校斡旋での就職と比べるとかなり少数派です。

学業を優先しながら就活を進められるように、そして、学校側が適切な就職支援ができるようにという意味もあり、現在も一人一社制が採択されています。

一人一社制は誰が決めているのか

高卒採用は都道府県ごとに、学校関係者と、経済団体関係者、文部科学省・厚生労働省を始めとした行政の3つの機関が会議を行い、公正な選考を保つためのルールを定めており、この会議によって、一人一社制が決められています。

ここで注目したいのが、ルールは都道府県ごとで決められているという点です。
多くは、「9月中までは一人一社制、10月以降は一人二社もしくは複数社の応募・推薦が可能」というルールを敷いていますが、各都道府県により異なりますので、詳しい内容は管轄のハローワークなどを確認してください。

企業側は学校斡旋で採用活動を行う場合、これらのルールを守らなければなりません。
全国や複数県にまたがって採用活動を行いたいと考えている企業は、ミスを防ぐためにも高卒支援の専門企業を活用し、情報収集を行うことをオススメします。

見直しの動きもある

一人一社制は慣習として残っているものであり、法律で規制されているものではありません。

現在、少子高齢化で求人が売り手市場になっていることもあり、大卒や中途採用においては求職者が主体的に情報収集し、入社したい企業を見つけることが増えています。
このような状況にそぐわないとして、一人一社制は見直しも検討されています。

見直しの動きがあるのも事実ですが、現時点では学校斡旋の仕組みは大きく変わらないことが予想されますので、一人一社制を頭に入れた上で、採用戦略を立てていきましょう。

一人一社制のメリット

ここからは一人一社制のメリットとデメリットそれぞれについて解説していきます。
まずは一人一社制のメリットを見ていきましょう。

内定が出やすい

厚生労働省が出した発表では、2021年3月の高卒就職者の内定率は99.1%とかなり高い結果が出ました。
学校推薦を受けている生徒からの応募ですので信頼感も高いですし、大卒や中途と違って辞退されにくいということから、企業側も安心して内定を出すことができます。

出典:令和2年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000184815_00020.html

学業に専念できる

もともと一人一社制は、高校生が学業に専念できるように採用された仕組みです。
就職活動には、高校生側も時間と労力をかける必要があります。
学校斡旋の仕組みを使えば、内容について教員に相談できるため安心ですし、自分で企業とやり取りする必要もありません。
高校生側の負担を減らせることは一人一社制のメリットと言えるでしょう。

進路指導教諭が手厚くフォローできる

高校の中には3年生のほとんどが就職する学校もあります。
そのため一人で何社も受けてしまうと、進路指導教諭の業務量が増え、生徒に十分なサポートができなくなってしまいます。
また1社だけ受ける生徒と複数社受ける生徒とでは、学校側のかける時間にも差ができ、一人ひとりに時間を平等に使えません。

一人一社制であれば、どの生徒にも同じように時間を使うことができますし、進路指導教諭の業務量も大きくならず、サポートしやすい環境が整います。

企業や生徒だけでなく、学校側にも配慮し、就職したい生徒に平等な機会を与えられる仕組みが一人一社制だと言えるでしょう。

一人一社制のデメリット

次は一人一社制のデメリットについて見ていきましょう。

選考スケジュールがタイト

高校生の就職活動は、3年次の7月から企業の求人票を確認し、9月の半ばごろには一次選考開始と、短いスケジュールの中で、応募する企業を決める必要があります。
一人一社しか受けられない状況の中で、求人票の限られた情報だけを頼りに企業を決めるのは難しいと言えるでしょう。

また、時間が短いこともあり、企業に対する理解を深められないまま選考に入らなければならないケースも想定されます。

就職先企業の選択が狭まる

学校斡旋の場合、ハローワークでの求人票提出が必須になるため、民間のWEBサイト等で行う就活よりも企業数が限られます。
そのため、自分に合った企業に就職できる確率は大卒就職よりも少ないと言えるでしょう。

また、一次選考で募集定員が埋まった企業はその時点で募集を終了することも多く、二次募集まで継続して募集を続ける企業は減ってしまいます。
二次募集を受ける生徒は数少ない選択肢の中から、就職企業を選ぶことになるのです。

高卒就職の場合、法律などで決められているわけではなく、あくまで慣例ですが「内定が出た企業に就職する」という文化も色濃く残っています。
内定後に興味のある企業が出てきた場合は応募できないというのもデメリットになると言えるでしょう。
これを示すように、高卒就職の場合は早期離職率が35.9%と、大卒者の31.5%よりも高いデータが出ています。

一人一社制を守るための方法

先述したように、都道府県ごとで一人一社制に対する細かいルールが決められています。
これらを守って採用活動を行うためにはどうすればいいのでしょうか。

採用活動開始前の周知徹底と研修

まず、採用活動を開始する前に、採用担当者内で高卒採用のルールを周知徹底しておきましょう。
支社や支店がある企業の場合、現地の担当に採用を一任することがあるかもしれません。
その場合は、全体研修ももちろんですが、各拠点で研修を行い、都道府県ごとのルールを細かく伝えるようにしてください。

採用後のフォローアップや評価制度の導入

高卒就職では早期離職が高い傾向にあるため、入社後の教育やフォローの方法も考えておく必要があります。

社会人としての経験がない高卒就職者の場合、基本のビジネスマナーから研修を行う必要があります。
自社の負担が大きくなってしまう場合は、外部講習なども活用しましょう。
また、精神面の支えになる存在として、年の近い社員をメンターとして配置することも検討してみてください。

高卒採用のサポート企業を活用する

新たに高卒人材採用を始めたいと考えている企業の場合、ルールを把握するだけでもかなりの時間と労力を使ってしまいますし、ミスをすれば自社の評判に傷がついてしまいます。
現在は、高卒人材採用をサポートする企業もありますので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

基本のルールを教えてもらえるだけでなく、学校訪問についての重要事項や、企業向けの後援会、リアルイベントなど、人脈を広げる手助けをしてくれるところもあります。

高卒採用の計画づくりと必要書類

高校生の採用選考は、大卒・中途採用と同じように考えてはいけません。
ここでは、前述した一人一社制などの高卒採用に関わる注意点を確認しながら、採用計画の立て方、必要な書類の詳細について解説していきます。

採用計画の立て方と注意点

学校斡旋で高卒採用を行う場合、管轄のハローワークに求人票の申請を行う必要があります。
高卒の場合は、求人票を提出した時点で、採用人数を決めておかなければなりません。
この採用人数は変更・削減ができませんので、はじめから高卒で採りたい人数を入れるようにしましょう。
「高卒採用が思うように進まなかった場合、高卒採用を取りやめて大卒や中途で人数を補う」ということはできませんので注意してください。
逆に、提出した人数よりも多く採用することは可能です。

また、内定取り消しや入職時期の繰り下げは、行政指導の対象となります。
企業の評価が下がってしまいますので、見切り発車で行うのではなく、採用できる人数、入社できる時期を確定してから高卒採用を行うようにしましょう。

必要書類と提出方法

先述したように、学校斡旋を受けるには求人票を申請しますが、高卒採用の場合、専用の求人票を提出することが必要です。
求人票は、例年6月1日から受付を開始しますので、管轄のハローワークへ提出しましょう。

受理された求人票は、解禁日から高卒就職情報WEB提供サービスに掲載され、全国の高校の進路指導の先生が閲覧できる状態になります。

参考:厚生労働省職業安定局 高卒就職情報WEB提供サービス
https://koukou.gakusei.hellowork.mhlw.go.jp/cont/job_offer.html

大卒や中途採用などで求人票を作成したことがある企業も多いと思いますが、高卒採用の求人票はとても大事なツールです。
書き方にも工夫が必要ですので、ぜひ下記の記事をチェックしてみてください。


提出期限と注意点

求人票は高卒採用の解禁日となる、例年7月1日からWEB上で公開されます。
高卒採用はスケジュールが短く、求人票が解禁日に間に合わない場合は、他社と大きな差がついてしまう事もあります。
厳密な提出期限はありませんが、7月1日までに申請が受理されるよう、逆算して提出しましょう。
初めて高卒採用を行う場合は、1回目で受理されないことも想定して余裕を持ったスケジュールで進めることをオススメします。

高卒採用支援を専門に行っている企業を活用すれば、求人票に対するアドバイスや添削などを行ってくれる場合もあります。
スムーズな高卒採用を行うためにぜひ活用してみてください。

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